胃腸症状

腸内環境は、脳よりも雄弁?!

ストレスや、食事の乱れ(栄養の不均衡)などで、腸内が疲労してしまうと、肝臓まで影響し、やがて代謝機能は低下し、抜けない疲労感・だるさ・頭痛・動けない・急な食欲低下…「うつ」なのかな?と感じてしまうような症状が現れてきます。それはそのはずで、消化器には、自律神経の迷走神経が張り巡らされています。迷走神経は副交感神経の主軸で、お腹を動かす神経は、身体を休息、回復させる神経なんですね。

これが、ストレスや過労、栄養の過不足などで侵されてしまうことで、休息させる神経が上手く働かなくなり、消化機能の低下で、便秘・下痢を始め、食欲不振、過敏性腸症候群、逆流性食道炎、消化吸収の負担が長引けば、肝臓の代謝も落ち、急に体重が落ちたり、だるさや倦怠感がぬけないなどの症状が引き起こされます。「うつ」?の前に、自律神経の乱れが必ず起こっており、そこには胃腸症状が少なからず存在しています。

脳神経はストレス下で、身体を守るために、各器官にストレスに立ち向かえる準備を促します。そのために血糖値を上げ、呼吸を促進し、腸管の働きを抑えます。ただし、このシステムが瞬時の対応ならば、通常モードに戻れますが、現代の人間が感じるストレスは、瞬時に敵に立ち向かうというより、日々の中で長期的に感じるものばかりです。

自律神経は身体機能のバランスを取る大事な調整機能で、様々な刺激に対し、交感神経・副交感神経と、どちらかに偏ることなくバランスを調整し順応していきます。その刺激に対しての評価は、思考というよりは、神経系の反応なので、無意識化です。ですので、脅威や危険、がなくても、日々の中で感じる小さなストレスで、明らかに「危険」な要因はなくとも、神経反応をしてしまう、不完全なものでもあるということを覚えておいてください。だからこそ、実際に起きてもいない事柄に対しての不安・緊張などにより、現実と同じような神経反応が起こり、結果として、常時ストレスを感じてしまう身体になってしまうのです。

腸管から脳に向かう神経は約31,000もあり、脳と同様に多くの神経細胞に囲まれています。これは、消化・吸収機能というものが、生物の生死とって最も重要で有るが故の進化の結果です。このことから、腸管は脳からの指令がなくとも、脳の機能にも、神経の反応にも直接的に影響を与えます

鍼灸では、腹診と言って、お腹の状態を診ていくことをしますが、冷え、緊張、弛緩、硬結、ガス、水滞など、お腹は、身体の状況をよく表す鏡のようなものです。無意識化の反応なんて難しいし、すぐに症状が出るわけじゃないので、冷えや緊張などは、気が付かない方がほとんどですが、お腹の状態を調えていくことは、バランスを乱さないためにも大事ですね。

お腹調えていきましょう。