冷え

「冷え」と「痛み」

  • 顔や頭だけ沢山汗をかく・のぼせる
  • 緊張が強いと思う
  • 手足が冷たい・胃腸が弱い・足や腰が痛みやすい・だるい
  • 寒さに敏感・暑さに敏感
  • 冷たいものをとりたがる・冷やしたがる
  • 頭痛が慢性的にある

皆さんの体温は何度ですか?臨床の中でよく見聞きする「冷え」ですが、自覚できるものと、自覚できないものがあります。

「冷え症」と自覚されているものは、温め対策などをしやすいので分かりやすいですよね。厄介なのが、自覚できないもの。「隠れ冷え症」。冷えどころか、暑さにも敏感で、本人は冷やしたい。冷たくしたい。体内環境と自分で感じる温覚が異なっているものがあるんです。

「冷え」は疾病ではありません。しかし、急性期の炎症を除き、多くの疾病の奥には冷え体質が隠れています。癌細胞だって低体温により増殖しやすい。

毎日の生活の中で、身体は体温を保ちながら均衡を守っています。しかし、慢性化した痛み・疲労・ストレスの連続・栄養の過不足・入浴・運動の不足・ホルモンバランス・自律神経と、毎日、無理が重なれば、やがてその均衡だって崩れて体温を保てなくなり、様々な症状の温床となり、ジワジワを身体を蝕んできます。冷えはゆっくりわかりにくく身体を侵してくるため、自覚して気が付くのも遅れます。

炎症は冷えから

頭寒足熱とは、腹部から下半身が温かく、頭に熱量がいきすぎていないバランスの取れた状態です。逆に「上実下虚」と言い、腹部や下半身が虚し(弱く)頭が実になっている状態は、のぼせや頭痛、肩の痛み、めまい、不眠、胃腸症状なども出やすく、体内の流れ・体温のバランスを崩した状態です。

皆さんは、ストレス下で体温が低下していくのかご存知ですか?気温や過労、低酸素や紫外線もちろん悩みなどもありますよね。この状況下で、体内では交感神経がストレスに対抗しようと頑張ってくれています、そのために血管は収縮し、血糖が上昇します。戦うためには出血は少ない方がいいし、瞬時にエネルギーが必要なための、身体の反応です。

ストレス社会と言われて久しいですが、このストレス状況が長びけば、低体温・高血糖の身体になっていきます。

慢性症状の方の治りにくい一番の原因はこの低体温が長引き、代謝が障害・エネルギーの産生やタンパク質の合成が低下されていることが根っこにあることです。

低体温が続くと、高温でエネルギーを造る、脳・心臓の筋肉・骨格筋の機能がまず侵され、脳神経の伝達異常でうつ病や、心臓では狭心症・不整脈・心筋梗塞・骨格筋では血流障害による痛みなどが出てきます。

そして、大切なことをもう1つ。

免疫系は、交感神経で反応して細菌を処理していくのですが、過剰に働きすぎて増加してしまうと、細菌どころか自分の組織を破壊してきてしまいます。

膵炎・痔・突発性難聴・メニエール・胃潰瘍・クローン病・潰瘍性大腸炎・子宮内膜症・膀胱炎などの疾病は組織破壊の病気で交感神経の刺激によって過剰に免疫反応しているために起こったものです。

自己免疫疾患と呼ばれるものも、原因が特定されないものが大多数ですが、様々な要因で交感神経が強く刺激され身体を護るはずの免疫系が組織を破壊し、炎症を起こします。エリテマトーデス・橋本病・シェーグレン・リウマチ・ベーチェット・などです。

上記のような症状でまず最初に処方されるのが、炎症を止めるステロイド消炎鎮痛剤・免疫抑制剤です。ステロイドはエネルギー産生を敢えて抑えて炎症を止めます。消炎鎮痛剤は痛み物質を抑えるために交感神経を緊張させます。いずれも、長期的な使用で低体温を招きます。

治ろうとするから痛い・治ろうとして発熱する

ステロイド・消炎鎮痛剤の使用で一時的には炎症は食い止められても,本来治るための修復作業で発生している熱や痛み感覚をブロックしているわけですから、本当の治癒にはならず、薬を飲み続けなくてはいけなくなってしまいます。

もちろん、酷い痛み感覚はそれだけでストレスになって、余計に神経を過敏にさせてくるので初期の炎症での対処は非常に有効です。しかし慢性的な症状でどうしても薬が切れないとなると、それは本来の身体の修復過程が成されていないためなのかもしれません。

痛み・炎症は悪者ではないんです。炎症に伴う痛みは、代謝を促して治ろうとしているから起きています。低体温の身体の状態では、治るチカラが(代謝)が障害されるから、慢性化し,

治れない身体になりやすいんです。

だから、お腹・手足の冷えを診ます

腹部や手足の状態は、言葉より身体の状態を語ってくれていることがあります。鍼灸では痛みの部位の他に、お腹の状態や冷え(自覚あり・なし)の状態をみていきます

お腹の緊張は適度か、弱過ぎたり、緊張が強く張っていたり、胃の部位が硬くなていないか、横隔膜付近が詰まっていないか、ガスが溜まっていないか、肋骨のせり上がりはないか、冷たくないか。

お腹の膨満感・便秘・下痢・のどの異物感・水滞・ストレス度合い・瘀血 腹部は内臓を守っているので・パンパンにひきつった様な状態は、緊張が強く、・チカラのない状態(弛緩)は、腹部・下半身の冷えも伴います。腹部が内臓を守ろうとして緊張を強いられていたり、胃腸の機能低下も併発します。また顔や頭からの汗が多いなども、体温感覚が上へばかり向かい、内部に冷えを隠しています。胃の弱さを元々持っていると、腹部のチカラは弱く、ペニャっとし、ヒヤッとした冷たさがあります。また局所的に硬くなっていたり、冷たかったりなど、お腹は本当に雄弁です。

手や足の冷えは本人も自覚しやすいです。夏でも足の冷えが強かったり、血流障害では、左右で痛みの強い方が極端に冷えていたり。お風呂上りでもすぐに冷えてしまったりなどです。また、精神的な緊張が強いと、手足に冷えた汗をかきます。外気温に関係なく、いつも手足がしっとりしているような状態は、気が付かぬうちに身体が緊張モードになっている状態です。これらは動物時代からの慣習で、ストレス下で戦うような時、滑ったりしないようにするためという一説もあります。なるほど・・・。とはいえ、常時この緊張状態ですと、血管の収縮も習慣化し、体内の冷えも強くなってきます。

冷え・緊張にはお灸

慢性化した症状・緊張・過剰な免疫反応で自分の細胞を破壊した症状、いずれも長引く冷え体質(低体温)に身体が晒され、更に緊張を強いられるという悪循環の道を辿ります。

大事なのは、深部を温め、緊張を解き、身体の機能を戻すこと。

そして、局所的に炎症を起こしている部位の熱を逃がすこと。

簡単に書いているけど、こんなことが簡単じゃないんです。

日々感じるストレス・痛みに対する鎮痛剤やステロイドの使用・生活習慣(疲労・睡眠不足・糖質や入浴)冷える要素はどこにでもあり、冷えて機能障害を起こしているのに気が付く人は、本当に少ない。

癌などの大病をし、生活や・気持ちの捉え方まで考え治すようになってから、気が付き改善してきてる方は多いです。

これが、何を意味しているのか。「冷え」は疾病ではないし、生活にも支障がすぐには出ないからなんです。でも確実に身体を時間をかけて攻撃してくるのが冷えの恐いところです。

長く冷えに慣れた身体(低体温)は緊張度合いも強い。そんな身体のためにお灸があるんです。

刺激に対しても、過剰に守ろうと反応してくる身体には、過度なマッサージなどは、神経が更に興奮し逆効果です。

内臓を守っている腹部・流れを下に持ってくる足の経穴にお灸をゆっくり、そして温かさを感じるまで、熱を通してあげると心身共に、リラックス効果もあり、機能が落ち着きやすくなります。お灸って熱いものではないんです。

お灸をゆっくり据えて、ゆっくり身体の機能をおちつかせる。忙しない毎日の中で、そんな時間をたまには持って、ストレス社会での生活の負担を溜め過ぎないことが大事な気がします。

冷え体質・緊張体質・慢性化症状にはお灸をオススメします