顎関節から頭蓋の歪み

「顎関節」にまつわる全身症状

、それらを支えるには、重要な関係性があります。

頭痛・めまい・耳鳴り・肩こり・血圧変動・自律神経やホルモンバランスにまで影響し、頚から脊柱を介して、全身のバランスへと発展していく顎関節、頸、頭蓋のつながり。

今や日本人の二人に1人の割合で顎関節に不調を抱えているようです。(自覚症状がないものも含んでね)

もしかしたら今のあなたの不調も、顎関節・頚・頭蓋のズレが引き金になっているかもしれません。

当院での患者さんも、歯の食いしばり、歯科矯正の経験がある方。

繰り返す頭痛、眼痛、肩こり、不眠症状のある方。

自律神経症状に悩まされている方。様々な身体症状で困っている方などは、顎関節からの頸椎や頭蓋の負担が少なからずあります。

毎日食べ物を咀嚼し、話をしている時も、口の開け閉めは毎日、何千回も行われています。

顎関節に違和感を感じてはいなくても、左右対称には完全な咬合な状態の人は少ないと言われています。その偏りが大きければ大きいほど、血管の収縮や神経交通の不具合を生じ、様々な症状に知らずになっていることもあります。

顎関節は顎だけの症状ではすまない!?

頚、顎、頭蓋につながる場所のズレが何故重要かというと、これらは脳神経の経路でもあるため、その小さなズレや偏りが、習慣化してしまうと、神経伝達に影響が出てきてしまうからなんです。神経は脊柱を通じて全身に隈なく走っていますから、様々な症状がでてきます。

下の顎は頭蓋骨と関節しています。ブランコみたいにぶら下がっているので、不安定と言えば不安定ですよね。

皆さんは食べ物を噛む時、左や右で咬みやすい方ばかりで噛んでいることってありませんか?左右対称にモノを咬む事って実は難しいですよね。

噛む力はすごく強いのです。その圧力が毎回の食事でかかり、左右でかかる圧は均等ではないとなると、下の顎からの圧力で頭蓋骨がズレ、咀嚼に使う筋肉に偏りが生じて、頭痛、肩こり、眼痛、耳鳴りなどに発展しやすくなります。

たかが顎なんですが、この部位の不均衡は脳との連結が近い分、後々、大きく全身症状に発展しやすいことを知っていただければと思います。

又、成長過程で歯列矯正をしていると、咀嚼する関節や筋肉が固まってしまった後ですと、下顎や上顎に人口的な外敵圧力がかかるために、関節する頚、頭蓋骨での脳神経の交通は余儀なく変更をせざる得ない状況となり、神経バランスを崩しやすい状況を作ってきます。

又、抜歯をしてから矯正という方も多いと思います。並びの悪い歯を抜歯して歯並びを治すので当たり前ですよね。

しかし、このことで、歯列は咀嚼を繰り返すのちに、抜歯された分が寄ってきて、口腔内を狭めてきます。口の中は口を開ける・閉めるに必要な筋肉で構成されています。

この筋肉群は舌骨や下顎骨に付着するものも多く、口腔内の適度な緊張を保っているのですが、口腔内の狭さで必要以上の緊張を強いられることもあり、その緊張が脳へ信号を送り、常時、神経の亢進状態を作っていくこともあります。

神経が過剰亢進すると、自律神経は交感神経が優位になり、様々な自律神経症状を発するに至ります。

「鍼灸で顎関節などの症状は良くなるの?」

当院では、顎関節の不具合から派生しやすい、後頭部や頸の状態、噛む筋肉の状態、肩甲骨の間の張り具合を確認し、筋緊張を除いていきます。

特に肩~背中の上部の肩背部は血行障害を起こしやすく、神経が過敏に反応しやすい個所で、患者さんの訴えも多い個所です。お灸を使い、熱を透すと、「フッ」と抜けるような軽さを感じられます。

後頭部や、頸を支える筋、咬筋にも、刺鍼で対応する経穴に刺鍼し、偏った力を解消していきます。

鍼灸は全体の流れを促し回復させていくものです。顎関節からくる頭痛、肩こり、耳鳴り、不眠などの症状は身体の上部に集中しています。それ故に、身体の腹部や下部の流れは悪くなりがちで、消化器などの症状も併発していることが多くみられます。

出ている症状だけに捉われてしまうと、体内環境は変化していないので、同じ症状を繰り返してしまいます。そのために私たちはお腹の状態や、下半身の冷え方にも重点を置いて施術にあたっています。

はりきゅうすずき より 皆さんへ

力が抜きにくい・緊張しやすいなどの自覚がある方は、顎から始まる緊張が強いがゆえに、神経過敏な身体の状態に、長い時間をかけて知らずに習慣化して、それが様々な症状の原因になっているかもしれません。

1度でもクセになり反応しやすくなった神経を回復させることは、それを普段から予防することの何十倍もの時間や労力を強いられます。

薬が効かない・痛みは繰り返す・イライラもする・こわくなる…悪循環のサイクルに巻き込まれる前に、身体のケアをしていく事が気持ちのケアにもつながります。